近衛第1師団(近衛師団) / 史実の組織
明治維新に際して天皇の近衛部隊として組織された「御親兵」に起源を持ち、皇居および東京の防衛を主たる任務とする精鋭師団。
探索者達の所属する「近衛師団特務中隊」は、近衛第1師団の直接の指揮下にある。
東部軍管区 / 史実の組織
日本本土のうち、東日本(関東甲信越)に於ける防衛・軍政・徴兵などを担当する、日本陸軍の上級単位の一つ。
探索者ら「近衛師団特務中隊」の所属する「近衛第1師団」も、帝都東京の防衛を任務とすることから、東部軍管区に属している。
陸軍省軍務局 / 史実の組織
大日本帝国政府に於いて陸軍を司る中央官庁、「陸軍省」の中核部門で、軍制・兵力編制・士官教育・徴兵などの統括を担当する部局。
1945年8月時点では、職員の中心は30代40代の若手佐官であり、彼らの一部は強硬な継戦派である。
戦局が悪化し敗戦が濃厚となる中、戦略レベルでの立案に携わる彼らにとって、
無条件降伏は、国家と天皇制度の滅亡に加え、自身の存在意義に対する強烈な否定であった。
彼らは「一撃講和」に未だ望みを抱き、「決号作戦」をはじめとする本土決戦を試みようとしている。
【呪文詳細】
探索者の所属する特務中隊は、創設から50年の間、超常能力に対する知識だけでなく、
それらを行使する為の「呪文」を開発・構築し、"毒を以て毒を制す"ことで、任務遂行をより確実なものとしてきた。
本項に記された呪文群は、特務中隊の前身の一つである陰陽寮が連綿と保全してきた呪術をベースに、
神道や仏教、修験道、民間信仰といった様々な儀式儀礼の中から、要素を拾い上げ、再構築された独自の呪文である。
こうした超常の力の存在は、政府関係者及び軍人の中でも、ごく一部の政府高官や高位軍人以外には厳しく秘匿されている。
彼らが自らの使用する超常の力を「呪文」と呼称するのは、特務中隊創設時の中核となった集団の一部が、
天社禁止令によって行き場を失った陰陽師たちであったことに由来する。
陰陽道自体、既に江戸時代初期には吉田神道や密教から多大な影響を受け、「天社神道」と呼ばれるように、神道化が強く進行していた。
それも相まって、「呪文」の中には、神道や仏教の要素を色濃く受け継いだものが多数存在する。
本稿に記載された呪文のうち、それぞれの探索者が習得している呪文については、「探索者の作成」に記述されている。
また、探索者が共通で習得している呪文に対しては、「★」印を付与している。
これらの習得済みの呪文に対して、キャスティングロールは必要ない(既に完了しているものとして扱う)。
これらの呪文のすべてが、シナリオ内で明確な使用タイミングを指定されているわけではない。
すべての呪文は、状況に応じて(キーパーが許す限り)自由に行使することができる。
▼付呪(ふじゅ)
一般的な物品に超常的な性質を付与するための呪文を、「付呪」と総称する。
神道に於ける祓浄の儀式や民間呪術の中にあったものを、独自に収集・編纂・再構築し、主として戦闘用に実用化したものである。
実際の用法も実践的なものに統一されており、付呪の対象を問わず、呪言を唱えながら対象に朱墨で梵字を描くというもの。
クトゥルフ神話の呪文としては、≪魔力を付与する(7版ルールブックp.256)≫に相当する。
時間 :1ラウンド
コスト:1つの対象に付呪を行うごとに、1POWと1MP、1点の正気度を喪失する。
この呪文の効果は1時間続き、その後、対象は付与された特性を喪失する。
≪火器への付呪≫
銃火器に対して付呪を行い、発射される弾丸に霊力を帯びさせる。
霊力を帯びた弾丸は、通常の武器からはダメージを受けない存在に対してもダメージを与えることが可能になる。
但し、付呪を施した武器によって≪結界≫を破壊することはできない。
≪刀剣への付呪≫
刀剣に対して付呪を行い、刀身に霊力を帯びさせる。
霊力を帯びた刀身は、通常の武器からはダメージを受けない存在に対してもダメージを与えることが可能になる。
但し、付呪を施した武器によって≪結界≫を破壊することはできない。
また、付呪の際に追加で任意のPOWを支払うことができる。
追加で支払ったPOW1点ごとに、対象の刀剣のダメージに+1の修正を加える。
この際にPOWを支払うことができるのは、術者および付呪の対象となる刀剣の使用者である。
≪装具への付呪≫★
装具(主に衣服)に対して付呪を行い、霊力を帯びさせる。
霊力を帯びた装具は、あらゆるダメージに対する1点の装甲として機能する。
また、付呪の際に追加で任意のPOWを支払うことができる。
追加で支払ったPOW2点ごとに、装甲の値に+1の修正を加える。
この際にPOWを支払うことができるのは、術者、または付呪の対象となる装具の使用者である。
この装甲の値は、ダメージによっては減衰しない。
▼結界
陰陽道に由来する呪文。
結界を作成して超常存在の侵入を阻止したり、逆にそうした結界を解体したりするための呪文である。
結界の作成・解体には独自の霊的センスが求められ、単なる呪術の素養だけでは習得が困難である為、呪文の使用者は貴重な存在である。
特務中隊に於いて主に使用される呪文は、以下の2つである。
≪晴明印(せいめいいん)≫
呪文を唱えて五芒星の印を描き、その周辺3m程度に結界を構築する呪文。1つの印を描く為に1MPを消費する。
複数の印同士を繋ぐように呪文を記すことで、印同士の間に結界を生じさせ、疑似的な障壁として機能させることもできる。
術者よりも力の弱い使い手や霊的存在は結界を越えることができないが、無機物はこの結界を通過する。
また、≪道満印≫によって破壊することが可能。
敵の逃走や侵入を妨害する為の障壁や、安全な場所を一時的に確保する為の防壁として用いることが一般的である。
この呪文の効果を強化する為に、五芒星の中央に炎のような目を任意の数だけ描くことができる。
これを「明王印(みょうおういん)」と呼び、1つの明王印の作成には5POWが必要となる。
「明王印」1つの作成には1時間が掛かるが、「明王印」の記された結界は、破壊に膨大な時間を要する。
クトゥルフ神話の呪文としては、≪旧き印(7版ルールブックpp.255-256)≫の異なるバージョン。
時間:1ラウンド+任意の時間
コスト:1MP+任意のPOW
≪道満印(どうまんいん)≫
呪文を唱えながら九字を切り、その場に仕掛けられた結界を無効化する呪文。
呪文が効果を発揮するには、結界が仕掛けられていることを感知した上で、術者との【POW対抗ロール】に成功する必要がある。
この呪文は、コストを支払うことができる限り、何度でも試みることができる。
呪文と判定の双方に成功すれば、弱い結界であれば即座に破壊することができ、
「明王印」の描かれた強力な結界であっても、「明王印」1つにつき2時間を掛けて破壊することができる。
時間:瞬時
コスト:3MP
▼式神
陰陽道に由来する呪文。
物体や小動物に霊力を付与し、1時間ほどの間、自身の意のままに動く式神として利用する呪文である。
式神は時間経過のほか、霊力を完全に喪失したり、物理的に破壊されたりすることで消滅する。
≪人形(ひとがた)≫★
最も基本的な式神の呪文。人間型に切り抜いた和紙や布、藁人形などに霊力を込めて使役する。
術者の霊力や発想に応じて様々な用途に用いるが、特務中隊に於いては、戦闘時のデコイとして利用することが一般的である。
対象のキャラクターに対する攻撃に対し、霊力を放出して硬化することによって、ダメージを1度だけ肩代わりする。
【回避】の能力は持たず、相手の技能ロールが成功した段階で即座に破壊される。
時間:1ラウンド
コスト:1点のPOWと3点のMP。
≪霊獣(れいじゅう)≫
自身の霊力を、虫や鼠、小鳥、猫のような小動物の形に練り上げ、短時間の間傀儡として操作する呪文。
作り上げる霊獣の外見は術者が自由に決定することができ、用途や術者の趣味嗜好によって、多様な形をとる。
霊獣は5,6歳児程度の知能を有し、母国語を理解する。
自律性の高い斥候として利用され、上空や物陰からの索敵、隠蔽された品の発見、情報伝達や陽動に用いられることが多い。
また、使用者が霊獣の視界や聴覚を利用することも可能であるが、その間、使用者の感覚は喪失する。
霊的エネルギーの塊であり、現実の物体に干渉することは可能であるが、重量物の輸送や物品の物理的な破壊は困難。
強い衝撃や攻撃を受ければ容易に消滅する(耐久力の参照が必要な場合、3点として扱う)。
時間:瞬時
コスト:1点のPOWと3点のMP。
▼呪禁(じゅごん)
体系化の困難なそれぞれに独自の効果を有する強力な呪文は、特務中隊に於いて「呪禁」と総称される。
以下、既知の呪文を列挙する。
≪天眼(てんがん)≫★
特務中隊が独自に開発した呪文。
自身や他者の感覚を霊的に鋭敏な状態に置き、1時間の間、魔術的な偽装や罠、結界、隠蔽を看破できる状態にする。
習得も容易であり、極めて有用な索敵呪文。1人が使用すれば、周囲10m付近の人間は自動的に対象となる。
時間:1分または1ラウンド
コスト:3点のMP
≪火之迦具土(ほのかぐつち)≫
神道に由来する呪文。
印を結びながら呪文を唱えることで、黒色の火炎を放出し、対象を包み込んで物理的に破壊する。
術者は対象との【POW対抗ロール】を行い、成功した場合、投入したMPと同じ値のダメージを対象に与える。
クトゥルフ神話の呪文としては、≪萎縮(7版ルールブックp.240)≫の異なるバージョン。
時間:瞬時
コスト:任意のMP
≪被甲護身(ひこうごしん)≫★
修験道に由来する呪文。
被甲護身の印を結び真言を唱えることで、瞬時に身を守る霊的な障壁を創造する。
印を結んでいる限り、攻撃によって自身が受けるはずだったダメージと同じ値をMPから消費して、攻撃を逸らすことができる
クトゥルフ神話の呪文としては、≪被害をそらす(6版ルールブックp.278)≫の異なるバージョン。
時間:任意のタイミング(※)
※すべての既知の呪文の中でこの呪文のみ、通常の応戦や回避の後に最後の緊急手段として反射的に使用することが可能
コスト:任意のMPと1点の正気度。
≪急々如律令(きゅうきゅうにょりつりょう)≫
陰陽道に由来する呪文で、ごく短時間の間、対象の意志を曲げて術者の思い通りに行動させる為に使用される。
呪文が一度に対象にできるのは、10メートル以内の1人だけである。
呪文をかける際、術者は対象と【POW対抗ロール】を行う。
勝利したならば、次の戦闘ラウンドが終わるまでの間、対象は術者の命令に服従する。
命令の内容は、対象がその意味を理解した上で、合理的に実行可能なものである必要がある。
この呪文は、呪符などの物品に付与することもできる。
この呪文を習得していないものであっても、呪術を付与された物品を対象に貼り付けるか目の前にかざし、
「急々如律令」と唱えることで、この呪文を使用することが可能となる。
クトゥルフ神話の呪文としては、≪支配(7版ルールブックp.243)≫の異なるバージョン。